ホット・ロック
ドナルド・E・ウエストレイク 平井 イサク 訳 角川文庫 ★泥棒の天才ドートマンダーはアフリカのタラブウォという国の大使 パトリック・アイコー大佐の依頼で、コロシアムに展示されているエメラルドを盗むべく、4人の仲間を集め計画を立てた。 そして首尾よくエメラルドを盗んだものの、エメラルドをもった仲間の一人が捕まってしまい、刑務所に。 エメラルドはその捕まった男が飲み込んだため、ドートマンダー達は救出作戦を立て成功させる。 だが、肝心のエメラルドはすでに排出されており、ドートマンダー達は第3の作戦を立てることになる・・・。 ★ドートマンダーの相棒ケルプがパトリック・アイコー大佐と逢う大使館の待合室にビリヤード台が置いてある。 最初はケルプが玉を突くのを見ているだけだったアイコー大佐がケルプが何回も通ううちに、大佐も玉を突き始め、最後には曲玉までするようになる。(p.62・p107・p.144・p.208・p.251) 間違いなく面白いです。超おすすめの1冊。 | |
ストレート スティーヴ・ニックマイヤー 高見 浩 訳 創元推理文庫 ★殺し屋ストレートとその事件を追う元FBIの私立探偵クランマーのハード・ボイルド。 元警官の殺し屋リチャード・ストレートは田舎町ソラーノの宝石店主を自殺に見せかけて殺した。彼の死に疑問を抱いたその情婦は私立探偵クランマーに捜査を依頼した。クランマーは助手のマネーリとともにソラーノに向かう。 ★クランマーも博打好きの探偵だが、彼の助手マネーリはプレイボーイで元ハスラー。(p.72) いつのまにかソラーノの若者達と仲良くなり、ビリヤードをしながらちゃっかり情報を収集する。(p.93・p.124) | |
凶手 アンドリュー・ヴァクス 佐々田 雅子 訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 ★ちょっと頭の足りない殺し屋ゴースト(ジョン・スミス)。彼が服役中に姿を消した踊り子シェラを探すために殺しの仕事を請け負う。 ★暗黒街の顔役モンローに会いにニューヨークのダウンタウンの玉突き場に行き、そこで一人で練習をしていと、赤毛の男が近寄ってきた。 ゴーストは15個をラックした状態からコールショットで玉を入れるといい(5回に1回は入るそうだ)、赤毛の男は無理だといい、1対5で賭けが成立。 ゴーストは20ドル、赤毛の男は100ドルを出し、ゴーストは見事指定したポケットに指定したボールを入れ、100ドルをゲット。(p.40) 数日後、またモンローに会いにこの玉突き場に来たとき、赤毛の男が絡んできたので、ゴーストは彼をボコボコにしてしまった。 | |
フラッド アンドリュー・ヴァクス 佐々田 雅子 訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 ★前科27犯のアウトロー探偵バークシリーズ。 バークはフラッドという女性からコブラと名乗る男を探してほしいと依頼される。彼女の目的はコブラに対する復讐である。 フラッドは以前コブラに幼児虐待を受けたことがあったのだ。 ★主人公バークだけではなく、その仲間もみんなアウトローなハード・ボイルド・シリーズ第1作。 中盤、昼に人と会う約束まで時間ができたのでバークはちょいと玉を突きにポップの店に出かけた。(p.300) この店にはバークのマイ・キューが置いてあり、バークへの他人からの伝言はジョイントの中に入れるようになっている。 この日バークの三つ先のテーブルでプロが練習しており、バークと目が会うと掛け玉を誘ってきたが、バークは断っている。(p.302) | |
ハード・キャンディ アンドリュー・ヴァクス 佐々田 雅子 訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 ★前科27犯のアウトロー探偵バークシリーズ。 バークは幼馴染で現在超一流の売春婦のキャンディから娘を取り戻してほしいとの依頼を受けた。 カルトな宗教教団に入信しているのだ。 バークを襲う殺し屋の影・・・。 ★今回バークはプエルトルコ系の刑事モラレスとのビリヤード対決あり。 バークが一人でストレート・プールの練習をしていると、モラレスがきてナインボールの勝負を挑んできた。(p.29) 1ゲーム10ドル。どうもモラレスは”だし”が苦手なようで、バーク2ゲーム連取で20ドル獲得。(p.32) モラレスはお金モラエズ。 | |
長く冷たい秋 サム・リーブス 小林 宏明訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 ★ヴェトナム帰りのタクシー運転手クーパーはある日、新聞で大学時代に思いを寄せていた女性ヴィヴィアンの自殺を知った。 だがヴィヴィアンの一人息子ドミニクは他殺であると言う。 クーパーは大学時代一度だけ関係をもったヴィヴィアンの息子ドミニクが自分の実の息子であると確信し始める。 彼らは真相を探り始めるが、二人に危機が訪れる。 ★クーパーはビリヤードの得意なタクシーの運転手だ。 バークの店で良く突くが(p.265)、たまにはシェリダン・ロードの玉突き場に行ったりもする。(p.405) ドミニクの仕事が決まったご褒美に彼にビリヤードを教えたが(p.165)、ドミニクはへたくそだった。 | |
雨のやまない夜 サム・リーブス 小林 宏明訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 ★タクシー運転手クーパーシリーズ第2作。 クーパーは恋人ダイアナが最近よそよそしくなっているのを感じた。 ダイアナの昔の仲間トミーが訪ねてきてからだ。2人の過去になにがあったのか? だがトミーは何者かに殺されてしまう。 ★今回はクーパーの恋敵が現れるので、クーパーはいらいらのしっぱなし。 傷心のバークの店で玉突くも、気分が乗らない。(p.143) 嫉妬にいらつくクーパー、水兵から賭けビリヤードで金を毟りとった。(p.171)-やつあたり- 頭に来た水兵はクーパーを待ち伏せして、キューで殴りかかったが返り討ちに会ってしまい(p.183)、キューを湖に捨てられてしまう。(p.187) 恐るべし、男の嫉妬。 | |
春までの深い闇 サム・リーブス 小林 宏明訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 ★クーパーシリーズ第3作 クーパーはスキャンダルを追う新聞記者の友人のボディ・ガードを引受けた。 彼は何者かに脅迫されていた・・・。 ★クーパー、今回も息子のドミニクと玉を突く。(p.292) ドミニクに玉の入れ方の基本を教えるとともに、きちっとした仕事につかない彼に、お説教をするという父親らしさを見せている。 | |
過ぎゆく夏の別れ サム・リーブス 小林 宏明訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 ★クーパーシリーズ第4作。 クーパーは大物不動産屋スワンソンの運転手として働くことになったが、スワンソンの息子が殺されたことにより事件に巻き込まれることになる。 ★仕事が替わっても、結婚してもクーパーは玉突きが好き。やっぱりバークの店でエイト・ボールを突く。(p.52・p.279) | |
リリアンと悪党ども トニー・ケンリック 上田 公子訳 角川文庫 ★誘拐のおとり捜査のため、けちなサギをはたらくバニー・コールダーは偽装家族を演じることになった。 アメリカに潜入した過激派4人組に娘を誘拐させるためである。 だが、コールダーの妻を演じるのはコールダーの詐欺に会った女性エラ・ブラウン。娘を演じるのは孤児で蓮っ葉な9歳児。 彼ら3人のドタバタ劇。 ★偽装家族のお屋敷にはビリヤード室があり、ポケット3台、キャロム台、スヌーカー台がそれぞれ1台ある。(p.122) エラに嫌われているコールダーは寝室に入れてもらえず、スヌーカー台の上に寝ることになる。(p.131) またリリアンが用心棒兼コックをビリヤードに誘う場面もある。9歳でできるのかしら?(p.160) |