撞球詩人 中原中也


ビリヤード


幾時代かがありまして
 黄色いブームありました

幾時代かがありまして
 冬は疾風吹きました

幾時代かがありまして
 今夜此処での一と勝負
  今夜此処での一と勝負

撞球場は狭い店
 そこに一つの華台だ
手入れしてない華台だ

頭悪さに能書き垂れて
 汚れラシャの台のもと
入らーん 入らーん 入らんよん

それを近くの酔っ払いが
 下手な奴だとクダを巻き

観客様はみな暇人
 笑いが漏れます 下手糞と
入らーん 入らーん 入らんよん(涙)

  目の前真ッ闇 闇の闇
  負けは段々と増えまする
  手玉落下の絶体絶命と
  入らーん 入らーん 入らんよん 
・゜・(ノД`)・゜・





んで、これが元ネタ。”ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん”
ああっ なんと素敵な響きなのでしょう。さすがは中原中也っ!
サーカス

幾時代かがありまして
 茶色い戦争ありました

幾時代かがありまして
 冬は疾風吹きました

幾時代かがありまして
 今夜此処での一と殷盛り(ひとさかり)
  今夜此処での一と殷盛り

サーカス小屋は高い梁
 そこに一つのブランコだ
見えるともないブランコだ

頭倒さに手を垂れて
 汚れ木綿の屋蓋(やね)のもと
ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん

それを近くの白い灯が
 安値いリボンと息を吐き

観客様はみな鰯(いわし)
 咽喉(のんど)が鳴ります牡蠣殻と
ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん

  屋外は真ッ闇 闇の闇
  夜は劫々と更けまする
  落下傘奴のノスタルヂアと
  ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん